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2026年5月20日 · 読了時間 6 分

FFmpeg動画編集の概要

FFmpegは強力なクロスプラットフォームの音声・動画処理ツールで、ほぼすべての動画編集ニーズをカバーしています。従来のデスクトップ編集ソフトと比較して、FFmpegはコマンドラインで動作し、バッチ処理や自動化が可能なため、動画制作ワークフローで広く利用されています。

本記事では、FFmpeg動画編集のコア操作を体系的に紹介します。タイムライントリミング、フレーム精度編集、複数ファイル結合、再生速度調整、逆再生、画面クロップ・回転などのよく使う機能について、それぞれ詳細なコマンド例とパラメータの説明を付けて解説します。

タイムライントリミング:ss と to パラメータ

動画のトリミングは最も基本的でよく使われる編集操作です。FFmpegには複数のトリミング方法があり、動画から任意の時間区間を切り出すことができます。

基本的なトリミングコマンド

-ss で開始時間を指定し、-to で終了時間を指定するのが、最も直感的なトリミング方法です:

ffmpeg -ss 00:01:30 -to 00:02:30 -i input.mp4 -c copy output.mp4

-t で長さを指定

終了時間を指定する以外に、-t パラメータでトリミングする長さを直接指定することもできます:

ffmpeg -ss 30 -t 60 -i input.mp4 -c:v libx264 -c:a aac output.mp4

フレーム単位の精密トリミング

注意が必要なのは、-c copy でストリームコピーを行う場合、トリミングポイントは最も近いキーフレームにアライメントされるため、数秒程度の誤差が生じる可能性があることです。フレーム単位の精密なトリミングが必要な場合は、再エンコードが必要です:

ffmpeg -i input.mp4 -ss 00:01:30.500 -to 00:02:30.250 -c:v libx264 -c:a aac -accurate_seek output.mp4

精密編集の方法

プロの動画制作では、フレーム単位の精密な編集が極めて重要です。以下に精密編集を実現するいくつかの方法を紹介します。

フレーム番号によるトリミング

select フィルタを使用することで、特定のフレーム範囲を精密に選択できます:

ffmpeg -i input.mp4 -vf "select='between(n,100,500)',setpts=PTS-STARTPTS" -af "aselect='between(t,4.17,20.83)',asetpts=PTS-STARTPTS" output.mp4

パラメータの位置の影響

FFmpegでは -ss パラメータを置く位置によって、トリミングの精度と速度に影響があります:

  • 入力前(-ss -i):キーフレームまで高速にシーク。速いが精度は低め
  • 入力後(-i -ss):フレーム単位でデコードしてシーク。精密だが遅い
  • 組み合わせて使用:まず高速にシークしてから精密に調整。速度と精度の両立

複数動画の結合

FFmpegには複数の動画結合方法があり、さまざまなシーンに適用できます。

方法1:concatデマルチプレクサを使用

すべての動画のエンコードパラメータが完全に一致する場合、ストリームコピーで高速に結合できます:

# filelist.txt を作成
file 'video1.mp4'
file 'video2.mp4'
file 'video3.mp4'

# 結合を実行
ffmpeg -f concat -safe 0 -i filelist.txt -c copy output.mp4

方法2:concatフィルタを使用

動画のパラメータが異なる場合は、concatフィルタで再エンコードして結合します:

ffmpeg -i video1.mp4 -i video2.mp4 -i video3.mp4 \
  -filter_complex "[0:v][0:a][1:v][1:a][2:v][2:a]concat=n=3:v=1:a=1[v][a]" \
  -map "[v]" -map "[a]" output.mp4

再生速度の調整

動画の再生速度を調整するのは、クリエイティブな編集でよく使われるエフェクトです。FFmpegでは加速・減速を柔軟に実現できます。

動画の高速再生

setpts フィルタで動画の速度を調整します。数値が小さいほど速度は速くなります:

# 2倍速再生
ffmpeg -i input.mp4 -vf "setpts=0.5*PTS" -af "atempo=2.0" output.mp4

# 4倍速再生(音声は多段階のatempoが必要)
ffmpeg -i input.mp4 -vf "setpts=0.25*PTS" -af "atempo=2.0,atempo=2.0" output.mp4

動画のスロー再生

スローモーション効果もsetptsで実現します。数値が大きいほど速度は遅くなります:

# 0.5倍速(スローモーション)
ffmpeg -i input.mp4 -vf "setpts=2.0*PTS" -af "atempo=0.5" output.mp4

動画の逆再生エフェクト

逆再生はクリエイティブな動画エフェクトの1つで、FFmpegではreverseフィルタで実現します。

動画と音声の同時逆再生

ffmpeg -i input.mp4 -vf reverse -af areverse output_reverse.mp4

動画のみ逆再生

動画のみ逆再生して、元の音声を残す場合:

ffmpeg -i input.mp4 -vf reverse -c:a copy output_reverse.mp4

画面のクロップとスケーリング

タイムラインのトリミング以外にも、画面サイズの調整もよくあるニーズです。

画面領域のクロップ

crop フィルタで画面をクロップします。パラメータは 幅:高さ:x:y です:

# 中央領域をクロップ(幅800高さ600、x=100,y=50から開始)
ffmpeg -i input.mp4 -vf "crop=800:600:100:50" output.mp4

# 中央の正方形にクロップ
ffmpeg -i input.mp4 -vf "crop=w=min(iw\,ih):h=min(iw\,ih):x=(iw-min(iw\,ih))/2:y=(ih-min(iw\,ih))/2" output.mp4

動画のスケーリング

scale フィルタで動画の解像度を調整します:

# 1280x720にスケーリング
ffmpeg -i input.mp4 -vf "scale=1280:720" output.mp4

# 比率を維持してスケーリング(アスペクト比を保持)
ffmpeg -i input.mp4 -vf "scale=640:-1" output.mp4

回転と反転

動画の向きを調整するのも、よくある編集操作です。

動画の回転

# 時計回りに90度回転
ffmpeg -i input.mp4 -vf "transpose=1" output.mp4

# 反時計回りに90度回転
ffmpeg -i input.mp4 -vf "transpose=2" output.mp4

# 180度回転
ffmpeg -i input.mp4 -vf "transpose=2,transpose=2" output.mp4

水平/垂直反転

# 水平反転(ミラー)
ffmpeg -i input.mp4 -vf hflip output.mp4

# 垂直反転
ffmpeg -i input.mp4 -vf vflip output.mp4

まとめ

FFmpegは豊富な動画編集機能を提供しています。基本的なトリミング・結合から、高度な速度調整・逆再生、画面調整まで、シンプルなコマンドラインで実現できます。これらのテクニックを習得することで、動画処理の効率を大幅に向上させることができ、特にバッチ処理や自動化ワークフローのシーンに適しています。

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